海外で頑張る日本人アクティブシニア集合!

留学、仕事、国際結婚……世界各国では、多くの日本人が海外生活を送っています。海外生活は楽しいことも多いですが、「言葉の壁」「人種の壁」「文化の壁」といった難関に直面することもあります。
そんな海外生活のなかで、自らの特技を生かしてアクティブに活躍している、日本人シニア3名をご紹介します。

コンサルティングからジョン万次郎まで多くの分野で貢献:吉田礼三氏

「海外で仕事を始めよう!」と日本を飛び出ていくのは、元気あふれる若者の特権にも思えます。しかし、ここでご紹介する吉田礼三氏は、日本での数十年にわたる会社勤めを終えた60歳を目前に渡米しました。吉田氏は、1927年に鹿児島で誕生。アメリカ イリノイ州、シカゴに移住をしたのは1986年のことでした。

移住後は日米間のダイレクト・マーケティングの先駆者として活躍してきた吉田氏。ユニセフのコンサルタントや、アメリカ企業向けのコンサルタントといった活動にも参加してきました。その功績はユニセフやDirect Marketing Association(DMA)からも認められ、いくつもの表彰を受けています。

2000年代中ごろには、江戸時代の日本の鎖国終了に大きな影響を与えた「ジョン万次郎」に関わる活動にも参加を始めました。「日本の子供たちに、もっとジョン万次郎について知ってほしい。アメリカについて学んでほしい」と、日本各地の小・中学校を訪問しながら講演を行っているそうです。

人気ブログからレシピ本の出版へ:レイ久子氏

アメリカの主婦ならば、一度は耳にしたことがあるといっても過言でない「カリフォルニアばあさん」。カリフォルニア在住のレイ久子氏が綴っている「カリフォルニアのばあさん」というブログは、アメリカで生活する日本人に役立つ情報がたくさん詰まっています。レイ氏がブログを始めたのは、60歳を超えてから。「娘にボケ防止にブログを始めなさい」と言われたという、面白いエピソード付きのブログです。

「カリフォルニアのばあさん」の人気の秘訣は、何といっても種類の豊富なレシピの数々。お菓子やパン、アメリカの家庭料理や世界各国の料理のレシピを、アメリカで入手できる材料を使って、分かりやすく紹介しています。おいしくてヘルシーなレシピは、ブログを訪れる人々の間でも大人気。2009年には、「カリフォルニアばあさんの料理帖」というレシピ本の出版へとつながりました。

そんなレイ氏が渡米したのは、1972年。長く続けた歯科技工の仕事を引退後に、今回ご紹介したブログを始めたそうです。料理や日常生活、持病について綴るブログはアメリカ在住者だけでなく、日本にも多くのファンがいます。コメントやメールを通して、こういった人々とコミュニケーションすることが、楽しみとなっているそうです。

世界の演奏者に愛される楽器を生みだす:松田鉄雄氏

1945年に秋田で生まれた松田氏は、高校卒業後に上京。そこで出会った知人のすすめで、楽器作りの道に足を踏み入れました。1965年から1976年にわたって、工房の一番弟子としてギターやバイオリンの製作に関わった松田氏は、1977年にイタリアに渡ります。言葉も話せない海外の土地で、周りの生徒たちより年上というハンデを持ちながらも、努力を重ねる日々。生活費は学校の合間に製作する楽器を売って稼いでいました。

そんな松田氏の作りだす楽器ですが、在学中からバイオリンやビオラで多くの賞を受賞していたそうです。卒業後に参加した国際コンクールでも、多くの賞を受賞。2006年には、国際コンクールの審査員を務めるまでになりました。ちなみに現在はアメリカのシカゴに工房を持つ松田氏。1983年に渡米後、1993年に独立した後も、楽器への情熱を胸に、今でも丁寧な楽器作りを続けているそうです。

情熱を胸にアクティブな毎日を

今回ご紹介した3人に共通しているのは、それぞれが「情熱」を持っていることです。文化の伝承、料理、楽器製作など、自分の好きなことを続けることが、毎日の生活をアクティブに過ごすことにつながりそうです。
ぜひ今一度、自分の好きなことや趣味を見つめ直すきっかけを作ってみてはいかがでしょうか。

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参考:

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